他人に苦しめられることで自分に気づく/内なる虚無感を満たす唯一の方法は自分を他人を無条件に愛すること

画像

転載元:zeraniumのブログさんより

他人に苦しめられることで、自分に気づく

   虚栄心(見栄)はエゴのもっとも原始的なものである。
   まだ魂が若く、知的な面では十分進歩してはいるが、感情面においてはまだ初心者の魂に特有なものだ。虚栄心の最大の特徴は、自分本位なことだ。特に自分が必要とすることや、基本的な欲求を満たすことに熱心であるが、一方で他者の必要性にはほとんど、あるいはまったくというほど関心を示さない。しかも多くの場合、他人の自由意志を侵害していることに気づくことができず、自分の意志ばかりを優先しようとする。

   見栄っ張りな人は自分が中心であろうとするので、他から注目されることを好む。
   愛というものをほとんど理解することができず、真の愛と口先だけのおだての違いがよくわからない。ゆえに人間関係では愛し愛されることよりも、知名度や賞賛や賛美を求め、自分の要望が叶うことだけを好む。虚栄心の強い人は常に自分と他者を比較し、いつも人よりも上位に立とうとする。あらゆる能力や物質的な面において、自分よりも下と見なした者を馬鹿にしたり蔑(さげす)むことが多く、自分にとって有益だと思う人を過剰に賞賛したりする。

   常に自分の利益を優先し、不公平な行動を取ることが多い。
   そうした自らの利己的な行為をごまかそうとして、しばしば事実を曲げる。感情が未発達なので自分自身に不満を覚えることが多く、孤独になることを極端に嫌う。常に頼れる人を必要とし、相手を思い通りに操作することが多く、周囲の人を精神的にも肉体的にも自分に縛り付ける。

   しかし期待通りにしてもらえない場合、すぐにその人間関係に飽きてしまう。
   そのため家庭では、伴侶や子供に対して、あるいは仕事では部下などを所有物のように見なし、好きなようにこき使うことが多い。当然と思っていた注目が自分に得られない場合には、被害妄想や攻撃、脅しや嘘などの思いつく限りの策を弄し、いかなる手段や代償を払ってでも注意を引こうとする。

   こうした欠点が顕れると、そのネガティブな息詰まる波動で周りの人々を消耗させる。そうしたものに長い時間耐えられる人など滅多にいない。これが彼らには知り合いは多いのに、あまり友人がいない理由である。自分だけがどれほど頑張っているかを自慢するが、努力は長くは続かず、他者に責任を負わせようとする。

人類の4分の3は、初期レベルの進化段階にある

   実は地球人類の4分の3に当る人々は、未だこの初期の進化段階にあり、特にあなた方の世界の政治家層の人々がそうであり、その一番の欠点が虚栄心である。もっとも自分の状態を正しく自認できること自体が進歩していることなので、今話したことが自分に当てはまると言う人はいないとは思う。あなた方の惑星がこんなに酷い状態なのもそのせいなのだ。

   こうしたエゴに、自分は無関係だと思っているとしたら大間違いだ。
   そういう人々を理解できないと思うこと自体、あなた方にもエゴがあることの証拠である
。虚栄心の段階は、その後のそれに変わる自尊心や自負心と共に、完全性へ向かう道程においてすべての魂が1つ残らず通過しなくてはならないものだ。これらの段階を超えられた者は、ある時点で自分の欠点に気づいて克服の努力をしたからであり、自分より進んだ人々を見習うことで、それを成し遂げることができた。

   虚栄心の克服の第一歩は、通常、自分と似たレベルにある者たちの利己的な行為に気づき、それを身を持って痛感し体験することから始る。宇宙の法則は、他者の行為を通して自らの行為に向き合うことで自覚させる。魂は実際に苦しむことによって感受性を高め、特に自分と同じような状況を体験した他者の苦悩を、より敏感に感じ取り理解できるようになる。そのようにして他者に対して芽生える連帯感は、愛の芽生えである。

   また、自分が他人に与えた害を自覚して、その過ちから学び理解することができるならば、他人を通して学ぶ必要はない。しかしそのためには愛や感受性が十分に発達している必要がある。なぜなら愛においてのみ、他人の気持ちや苦悩などを自分のことのように感じることができるからだ。初期の段階にある魂の場合は、他人が見せてくれる利己的な行為を経験することで、利己的な自分を味わって苦しむほうが、より早く進歩成長することができる。

   自らの理解によって虚栄心を克服することもできる。
   そのための最初の1歩は自分の欠点を自覚することであり、次にその態度を是正することだ。欠点を認識するだけで、それを抑えられるわけではない。自覚して認めるだけでなく、エゴに従った行動を避け、エゴの言いなりにならずに自分の気持ちに従って決断するならば、エゴは次第に力を失って最終的には克服されるだろう。自覚することで虚栄心がどういうものかを深く認識でき、それがどのような場合に自分に顕れ、どんな刺激によって増長されるのかを知ることができる。

   幸せであるためには注目されることが重要で、他人から認められて賞賛され、そうした喜びや贈り物を沢山もらうことだと信じることで虚栄心もまた増大する。つまり虚栄心は、幸せであるために人や物などすべてのものを所有する必要がある、と自分にも他人にも思い込ませるように現実を変える傾向となって顕れるのだ。

   虚栄心は、自分の前にあるすべてのものを吸い込む掃除機のように何でも溜め込むが、しかし持っているものを何1つ評価することがない。そのため彼らは常に不満で空虚、不幸であり、自らの感情を呼び覚ます努力をしない限り、他者から愛されてもそれがわからず評価することもできない。

   なぜなら自らの努力や意志によって成し遂げることでなければ、それを楽しみ本当に理解して評価することもできないからだが、虚栄心の強い者は何に対してもほとんど努力をせず、他人が自分のためにしてくれるのを望む。こうした魂が目的を持った場合、それは外見的で物質的で表面だけのものが多く、魂の内なる目標であることはほとんどない。

   虚栄心の強い者が欠点を克服する第一歩は、幸せとは外部にあるものではなく、自らの内なる世界次第であると理解することだ。そして我々すべてのものが学ぶべき大切な教訓は、真の幸福は、他人が自分を愛するかどうかで決まるのではなく、自分が自分を愛せるかどうかにかかっている。だから幸せになりたければ、他人が自分を愛してくれるのをがむしゃらに求めることをやめ、自分自身の内なる感情を目覚めさせるようにしなさい

   他人からの賞賛や愛情、成功や承認を得ることでは、幸せになることはできない。
   もし自分の人生に不満足であり、孤独感や虚無感に苦しむのであれば、その不幸の原因を外部に探さないことだ。原因は外にあるのではなく、自分自身の内にあるからだ。他人が起こした火で暖まろうとしてはいけない。他人があなたのためにしてくれたり、してくれなかったりしたことに翻弄されず、自らの内に火をおこしなさい。利己主義を脇に置いて自分を愛しなさい。内なる虚無感を満たす唯一の方法は、自分を他人を無条件に愛することなのだ。


book 『魂の法則』 ヴィンセント・ギリェム著  ナチュラルスピリット

抜粋




参考

人生の目的とは「100% 今に在ること」

この記事へのトラックバック