中国、前最高指導部メンバー・周永康氏聴取 「規律違反」容疑 政局に激震

周永康氏=2007年10月16日、北京(ロイター)
周永康氏に「重大な規律違反」、立件に向け調査開始
2014/07/29|TBS NEWSさんより転載
中国の前の最高指導部のメンバーだった周永康氏。政治体制の違いはありますが、周氏は、日本でいえば最高裁長官と検事総長、さらに警察庁長官を兼ねたような立場にあった、まさに権力の中枢にいた人物です。この周氏を中国共産党中央委員会は29日、「重大な規律違反があった」として、立件に向けた調査を開始しました。
前の胡錦濤政権で中央政治局常務委員を務め、序列9位だった周永康氏。中国国営の新華社通信は、共産党中央委員会が29日、周氏について「重大な規律違反」があったとして、立件に向けて調査することを決定したと報じました。
「新華社通信によりますと、周永康が党の規律を重く犯した疑いで、党中央政府は規定に基づき起訴することを決めました」(中国中央テレビ〔日本時間午後8時〕)
具体的な「規律違反」の内容については明らかになっていません。周氏は、国有の石油会社のトップを務めるなど長年「石油利権」を背景に共産党内部で存在感を強めてきました。そして、胡錦濤政権で周氏は司法、警察部門のトップに立ち、一族はその地位を利用して日本円にして1兆7000億円相当にのぼる巨額の財を成したとされています。
今回の決定で、周氏は今後、共産党の党籍をはく奪されたうえ、司法当局による本格的な捜査が行われることは必至です。習近平国家主席は政権発足後、徹底して「腐敗撲滅」の姿勢を貫いていて、今回の決定には、共産党や政府に対して高まる国民の不満をかわす狙いがあるとみられます。
前政権の最高指導部メンバーだった常務委員がこうした捜査を受けるのはきわめて異例で、共産党内部での権力の駆け引きが激化し、政権が不安定になるとの見方がある一方で、国民の支持を得て権力基盤を安定させる狙いがあるとの見方もあります。(29日21:48)
(転載終了)