なぜスペイン国王は、在命中にもかかわらず退位したの?

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2014年6月3日 SHUTA AKABANE
スペインのラホイ首相は2日、スペイン国王フアン・カルロス1世(76)が退位することを発表した。存命中にもかかわらず国王が退位をするのは異例のことだ。その背景にはいったい何があるのだろうか?
王室に相次ぐスキャンダル
国王は発表された声明で、「必要な改革を実行して将来の課題に立ち向かうことのできる、エネルギーあふれた世代」に引き継ぐ時が来たと語った。そのうえで、皇太子の成熟と新しい国王の必要性を語った。
この動きの裏には、国王の健康状態が悪化したことに加えて、相次ぐ王室のスキャンダルがある。まず、国王の次女であるクリスティーナ王女は脱税や資金洗浄の疑いで起訴されている。王女の夫であるウルダンガリン氏が2004~06年にかけて代表を務めていた非営利団体に、地元政府が支払ったイベントの開催費用を違法に取得した疑いが持たれた。この不正のことを王女が知っていた可能性があることが、起訴の理由だ。2月には法廷に立たされた。
また、国王自身も批判にさらされている。国王は2012年に秘密裏にアフリカのボツワナへ象狩りに出かけたが、その訪問先で股関節を骨折する騒ぎがあり、事態が判明。2008年のリーマンショック以降、スペインの失業率は20%を超えており、国民が経済危機に苦しむ中での豪遊だけに非難が集中した。
後継はフェリペ皇太子、君主制見直しの声も
後継にはフェリペ皇太子が指名された。彼は国民に人気が高く、1992年のバルセロナ・オリンピックにヨットで出場した経験もある。毎日新聞1によると、スペインの世論調査では過半数の国民が彼の王位継承を支持する結果が出ていたという。
一方で、国王退位の発表を受けて、マドリードでは君主制自体の廃止を主張して数千人規模のデモが繰り広げられた。また、君主制廃止に向けた住民投票の実施を求めるオンライン上の署名運動に、10万人以上の賛同が集まるなど、君主制自体を見直そうという声も上がっている。
(転載修了)
【再掲】スペイン王女に裁判所が出廷命令、
税金詐欺容疑などで
<< 作成日時 : 2014/01/08 01:17
2014/01/07|Reutersより引用
スペイン王女に裁判所が出廷命令、税金詐欺容疑などで
[マドリード 7日 ロイター] -スペインの裁判所は7日、フアン・カルロス国王の次女クリスティーナ王女に対し、税金詐欺とマネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で出廷を命じた。
バレアレス諸島を管轄する裁判所のホセ・カストロ予審判事が下した決定によると、クリスティーナ王女は3月8日に出廷を求められている。
王女の夫であるイニャキ・ウルダンガリン氏は既に、詐欺、脱税、文書偽造や慈善団体を通じた公金横領の容疑をかけられている。
王女とウルダンガリン氏はともに、不正行為はしていないと主張している。
今月5日発表の調査会社シグマ・ドスの世論調査によると、国民の83%以上が、王室がウルダンガリン氏の問題への対応を誤ったと考えており、フアン・カルロス国王が退位すべきだとする回答は過去最高の62%に達した。
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江沢民氏ら元中国幹部に逮捕状=スペイン国際裁判所・・・アルジェンチン国際裁判所でも
<< 作成日時 : 2013/11/24 23:51
https://hontougaitiban.seesaa.net/article/201311article_108.html
(再掲)
緊縮財政を拒否:スペインで大規模デモ
-「王様は衣服なしに立っていることが明らかにされている」
2013/02/28
ROCKWAY EXPRESSさんより転載

怒りの市民が街に繰り出した
◆2月26日
スペインで先週末、大規模なデモが行われた。スペイン全土で数十万人が路上に繰出し、緊縮財政反対と民主主義擁護を掲げてデモをおこなったのだ。整然としたデモだけではない。騒然としたデモもあれば、一部が暴徒化したデモもある。「怒り」が爆発したデモである。
今年、日本では安倍政権になってからアベノミクスという経済政策で、日本では景気が良くなるという期待が膨らんでいるが、世界の実情はそうでもないという一例である。恐らくこれから、あのリーマンショック以上の大規模な金融危機が世界を襲うことになるだろう。ヨーロッパ、アメリカ、中国がもう一回巨大なショックで大混乱をきたし、世界中で景気が後退するだろう。