汚染水4トンあふれる=福島第1、移送先誤る? ―東電
時事通信 10月1日(火)13時16分配信
東京電力は1日、福島第1原発で貯蔵タンク群を囲うせき内の雨水を移送中、一時貯蔵用の小型タンクから水があふれ、周囲の土壌に染み込んだと発表した。あふれた水は4トン程度で、放射性物質を含んでいる。この小型タンクに移す予定はなかったといい、移送先を誤った可能性がある。東電が、経緯や放射性物質の濃度を調べている。
東電によると、4号機南西側にある容量12トンの小型タンクで午前11時50分ごろ、水があふれているのを巡回中の協力企業の作業員が発見。約20分後に移送を停止した。
東電は、せき内の水を別のタンク群のせきに移す計画だったが、ホースをつないだ先が小型タンクになっていた。移送作業は1人で行っていた。
あふれた水の放射性物質濃度は不明だが、台風18号接近に伴い大雨となった9月15日に採取したせき内の水は、ベータ線を出す放射性物質の濃度が1リットル当たり160ベクレルだった。

Fukushima NHK Special: Radioactive Water Leaks: New Threat at
NHKスペシャル海外版/公開日:2013/4/26
転載元:玄のリモ農園ダイアリーさんより
福島4号機は人類の危機
福島原発の状況についてもうほとんど茶の間のテレビでは話題になっていない現実に正直とまどっています。日本は安倍首相の安全宣言とオリンピック招致ですっかり不安は消えてしまったかのようです。
しかし、一歩日本から海外に出ると、”Fukushima"と言うだけでほとんどの人々は何らかの反応を示します。それらは一様に、”一体どうなっているの?”、”大変そうだね”、”魚はいつまで安全だろう?”という言葉になって返ってきます。
福島の深刻な状況については、日本でも、ましてや外国でもほとんどの人々は知りません。なにしろ今回の原発災害は3つの原子炉のメルトダウンという未曾有の経験だけに、一体本当にどうなっているのか誰も、世界のトップの科学者たちでも分からないという実状があります。そしてメディアがほとんど実態を報道しないこともあります。
でも、もっとも緊急な、そして世界の注目を必要とする厄介な問題は福島4号機であることは、311以降からずっと専門家たちによって指摘されて来ました。
そうした中、東電は9月初めいよいよ4号機の核燃料の撤去作業を本格的に開始することを発表しました。
http://www.47news.jp/47topics/e/245207.php
そのニュースが世界を駆け巡り、果たして本当に不始末つづきの東電に任せて大丈夫なのかという危惧が内外の専門家やジャーナリスト、市民たちから湧き起こっています。
以下に紹介する記事は9月20日のウェブサイト”コモンドリームズ”に掲載され、海外で大きな反響を呼んでいます。
筆者は、長年環境問題に関わり、反原発運動の活動家としても国際的に知られるハービー・ワサーマンです。
***************
福島原発4号機の危機
ハービー・ワサーマン
私たちはこれから2ヶ月のうちに、キューバのミサイル危機以来最大の人類の危機を迎えようとしています。
なにもしないでいることは弁解の余地はありません。私たち人類に可能なあらゆる支援を結集させて、福島4号機の燃料プールに取り組まなければなりません。
福島第一原発の所有者である東京電力(TEPCO)は、わずか60日以内に1,300本の使用済み核燃料棒を地上30mに留まっているひどく損傷したプールから取り除く作業を開始すると言っています。著しく被害を受けた建物内にあるこのプールは傾き沈下しているので、それ自身の損傷によるものでなくても、次の地震で簡単に崩れる可能性があります。
そのプールにある400数トンの燃料棒は広島で放出されたよりも15,000倍以上の放射能を放出するのです。
この危機に際して確かなことは、東京電力にはそれに対処するべき科学的、技術的あるいは経済的能力がないことです。同じことは日本政府にも言えます。状況は、私たち人類レベルで集結できるかぎりの最高の科学者と技術者たちによる国際的な協力体制を必要としています。
どうしてこれがそれほどに深刻なのでしょう?
何千トンもの高濃度の汚染水が福島原発敷地内から流れ出して長い寿命の毒性アイソトープ(同位性元素)の恐ろしいスープを太平洋に運んでいることを私たちはすでに知っています。すでにカリフォルニア沖で福島まで遡ることができるフォールアウト(放射性降下物質)に被曝されたマグロが捕獲されています。さらに深刻なことが予想されます。
東京電力は3つのメルトダウンした原子炉の燃料をなんとか冷却しつづけなければならないために、その近接の敷地内にさらに多くの水を注入しつづけています。水蒸気の煙は核分裂がいまだにどこか地下で進行中であることを示している可能性があります。しかしそれらの核燃料が実際にどこにあるのか正確に知っている人は誰もいません。
放射能汚染水の多くは急遽敷地内周辺に散らばって組立てられた約1000の巨大な、でも脆弱なタンクに保管されています。その多くがすでに漏れ出しているのです。次の地震ですべてが崩壊し、何千トンもの永久的毒性物質が太平洋に放出される可能性があります。最新の報道では東京電力がまた数千トンの汚染水を海洋に放棄したとあります。
敷地内を通って流れる水も福島原発の残っている土台構造を弱体化しています。それには4号機の燃料プールを支える土台もあります。
4号機からわずか50mのところにある共有プールには6,000本以上の核燃料集合体がいまも入っています。その一部にはプルトニウムが含まれています。そのプールには覆いがありません。冷却水喪失や近隣の建物崩壊、新たな地震や津波などに対して無防備です。
長年の専門家でありエネルギー省の役人だったロバート・アルバレスによれば、敷地内にはチェルノブイリで放出されたよりも85倍以上の危険なセシウムがあります。
放射能のホットスポットが日本中でいまも見つかっています。地元の子どもたちに高い率の甲状腺被害が出ています。
もっとも肝心なことは、それらの燃料棒を出来るだけ早く4号機プールから安全に出さなければならないことです。
福島第一原発を襲った311地震と津波の直前に、4号機の核燃料は定期点検と燃料交換のために取り出されていました。米国の20数機の原子炉と世界中にあるさらに多くの原子炉のように、核燃料が入っているジェネラルエレクトリック社設計のプールは地上30mのところに設置されています。
使用済み核燃料はどうしても水中に保管されていなければなりません。それはジルコニウム合金で被覆されていて、空気に晒されると自然発火するからです。長い間カメラのフラッシュ電球に使われてきたように、ジルコニウムは極度に明るい高温フレームで燃焼します。
被覆されていない燃料棒はどれも近くに立っている人を数分で殺すだけの放射線を放出します。火災になれば敷地内のすべての人間は退去せざるを得なくなり、電子機器はすべて機能不全になるでしょう。
40年間この業界で原子力技術者として一時は燃料棒生産にも携わったことがあるアーニー・ガンダーソンによれば、4号機にある核燃料は曲げられ破損し、脆くなって砕ける寸前だと言います。カメラが燃料プール内の厄介な量の破砕物を捕らえていますが、そのプール自体も破損しています。
4号機の核燃料プールを空にすることの技術的、科学的な障害は特殊で非常に困難であるとガンダーセンは言っています。しかもそれは100%の完璧さで行なわれなければならないのです。
この作業が万一にでも失敗すれば、燃料棒が空気に曝されて発火し、恐ろしい量の放射線を大気中に放出するでしょう。プールは地面に崩れ落ち、山積みに放り出された燃料棒は核分裂を起こし、たぶん爆発するでしょう。その結果による放射性雲は私たち全員の健康と安全を脅かすことになるでしょう。
1986年のチェルノブイリの最初のフォールアウト(放射性降下物質)は10日以内にカリフォルニアに到達しました。2011年の福島のものは1週間以内に着いています。4号機の新しい燃料火災は何世紀にもわたって致命的な放射性有毒物質を含む気流を流しつづけるでしょう。
元スイス大使の村田光平氏は福島から大規模な放出があれば、“世界環境と私たちの文明を破滅させるだろう。これはロケット科学でも、原子力発電所に関しての喧々囂々の論争でもない。これは人類の生存問題なのだ”と言っています。
東京電力も日本政府もこれを独力でやることはできません。この惑星の最高の科学者と技術者たちの共同チーム以外に対応させることはもう許されないのです。
私たちが行動するのには2ヶ月もありません。
今のところ私たちは、世界中の科学技術界を動員して福島を管理し、これらの燃料棒を安全に移動させる仕事を引き受けるよう国連とオバマ大統領に請願しています。
あなたも請願書にサインしてください。
http://www.nukefree.org/crisis-fukushima-4-petition-un-us-global-response
もしあなたにもっと良いアイデアがあれば、どうかそれをしてください。でも何かしてください。そしていましてください。
時計が時を刻んでいます。世界の核災害の時計の針は恐いほど真夜中に迫っています。
(訳文責:森田 玄)
■テーマ「3.11東日本大震災」のブログ記事
http://mizu888.at.webry.info/theme/6280de39dd.html